病気を治すことだけが医療のすべてではありません。本来の医療は、つらさや不安を和らげ、その人らしい生き方を支える営みの中にあります。しかし現場では、疾患単位での対応に終始し、生活や人生の文脈が置き去りにされてしまうことも少なくありません。
私たちは「ケア」を、医療行為の補助ではなく、暮らしを支えるすべての営みとして捉えています。
今回のイベントでは、病院・ケア・地域がどう結びつき、患者さんや地域の暮らしをより豊かにできるか ── そんな視点を共有し、徳島から新たな動きを生み出します。

タイムスケジュール
-
DAY1
12.6
SAT
-
DAY2
12.7
SUN
トークセッション
DAY1
12.6
SAT
10:10 - 12:00
Session1
3つの町の地域医療
地域の医療は、その土地の風土や文化、暮らし方と切り離せません。本セッションでは、異なる背景と魅力を持つ3つの町から、現場を牽引する医療者が登壇します。
スピーカー

ひらいわ ちひろ
平岩 千尋
福山南病院 総合診療科部長/
鞆のくらしの診療所 代表・医師
歴史ある港町で、病院を飛び出し地域と医療の橋渡しをする活動を展開。
多職種が連携するケア体制、子ども主体の地域診断、地域ケアを担う人材育成へと広がる取り組みは、医療・福祉・教育を結ぶ実践として関心を集めている。
スピーカー

くになが なおき
國永 直樹
海陽町国民健康保険海南病院・医師
山と海に抱かれた温暖な町で、地域医療と地域づくりを担う総合診療医。新たに赴任し、海南病院を拠点にアクセスや医療資源の課題に向き合いながら、住民の暮らしに根ざした診療と地域づくりを進めている。
スピーカー

おうち診療所神山メンバー
おうち診療所神山
鮎喰川が流れる自然豊かな山間の町。「奇跡の田舎」とも呼ばれ、地方創生と移住促進の成功例として知られる。おうち診療所神山は、在宅医療と訪問ケアを通じて、病気や障がいがあっても自分らしい暮らしを続けられる地域包括的医療を実践している。
モデレーター

かみにし りんたろう
上西 凜太郎
島根大学医学部4年
島根大学医学科4年
#石垣島育ち#お節介#越境#ちいここ
石垣島の教育・医療格差の経験から離島・僻地を始め医療・教育の変革を目指す。医療研修の立案など様々な関わり方で全国の中高生・医療系学生の学びの場作りに挑戦。
13:00 - 14:30
Session2
あらゆる年齢にむけた社会的処方の実践
「社会的処方」は日本各地において、高齢者に限らずあらゆる年齢層に向けた取り組みとして広まっています。患者のみならずその家族・地域までを包摂する福井・石川・長野における在宅医療現場の実践を、医療法人オレンジ紅谷さんから。10代の孤立を解決するため、1万人以上の若者の相談と向き合い、20万食以上の食料支援を行い続けるNPO法人D×P今井さんの実践から、状況の現実や自分たちの手で始められるステップを見つけ・深める時間にしていきましょう。
スピーカー

べにや ひろゆき
紅谷 浩之
医療法人社団オレンジ理事長/
ほっちのロッヂ共同代表
1976年、福井県福井市生まれ。福井医科大学卒後、救急・総合診療を中心に研修し、僻地にて在宅医療・地域医療を学ぶ。在宅医療という視点から、様々な事業を展開し、地域づくり、まちづくりにも取り組んでいる。
スピーカー

いまい のりあき
今井 紀明
認定NPO法人D×P理事長
高校時代に医療支援でイラク渡航中に拘束。復帰後、不登校の10代と出会いを機に2012年D×P設立。登録者1.8万人超のLINE相談「ユキサキチャット」で全国からの相談に応じ、学校・地域の居場所づくり、街中アウトリーチを展開。
モデレーター

ふじおか さとこ
藤岡 聡子
ほっちのロッヂ共同代表
徳島生まれ三重育ち。夜間定時制高校出身。「老人ホームに老人しかいない違和感」を元に24歳で有料老人ホーム創業後、「長崎二丁目家庭科室」を経て「診療所と大きな台所があるところ ほっちのロッヂ」共同代表。共著に『社会的処方』『ケアとまちづくり、ときどきアート』
14:45 - 16:45
Session3
ケアする病院の実践
「ケアする病院ネットワーク」は、病気の治療だけでなく、患者の生活や人生全体に寄り添い、その人らしさを守ることを大切にする病院の連携組織です。身体拘束ゼロや患者主体の医療、安心して暮らせる環境づくりなど、医療の質を高めるための取り組みを全国で共有しています。本セッションでは、内田病院の田中志子と博愛記念病院(平成医療福祉グループ)の武久敬洋が、自院での実践とそこに込めた思いを語り、参加者との対話を通じてこれからの「ケアする病院」の姿を描き出します。
スピーカー

たなか ゆきこ
田中 志子
医療法人大誠会 内田病院
理事長・院長・医師/
ケアする病院ネットワーク発起人代表
医療法人大誠会理事長。1995年に内田病院に着任、2011年より現職。沼田市で地域包括ケアを推進し、身体拘束ゼロの介護実践、共生型施設や移動型コンビニなど医療・福祉と暮らしを結ぶ事業を展開。医師で初の認知症介護指導者。「ケアする病院ネットワーク」発起人代表。
スピーカー

たけひさ たかひろ
武久 敬洋
平成医療福祉グループ代表/
博愛記念病院理事長/
おうち診療所神山院長
平成医療福祉グループ代表。徳島県神山町在住。3人の子どもの父。2010年、平成医療福祉グループへ入職。以降、病院や施設の立ち上げなどに関わりながら、グループの医療・福祉の質向上に取り組む。2022年、グループ代表に就任。共同編集した著書に『慢性期医療のすべて』(2017 メジカルビュー社)がある。
モデレーター

さかがみ ゆうき
坂上 祐樹
平成医療福祉グループ副代表/
海外事業部部長・経営企画医師
平成医療福祉グループ副代表、経営企画医師、海外事業部部長。1981年長崎県島原市出身。2006年長崎大学卒業。長崎県五島中央病院で初期研修後、厚生労働省に入省。医師偏在を課題として臨床研修制度の見直しなどに取り組み、診療報酬改定や災害医療の整備などを手掛け、2017年に同グループに入職。
DAY2
12.7
SUN
10:10 - 12:00
Session1
ポジティブヘルス
オランダ発・ポジティヴヘルスとは「健康に対する自己理解の促進」を促すもの。本人が自分の健康の実感について自己理解をし、本人が持つレジリエンス(回復力)・自己主導を促進するコンセプトです。専門職に求められるのは、評価や指導ではなくこれまでとは全く違ったアプローチであるーーー。ポジティヴヘルスの概念を取り入れていく日本での学びや実践に紐づく形を解きほぐしていきます。
スピーカー

べにや ひろゆき
紅谷 浩之
医療法人社団オレンジ理事長/
ほっちのロッヂ共同代表
1976年、福井県福井市生まれ。福井医科大学卒後、救急・総合診療を中心に研修し、僻地にて在宅医療・地域医療を学ぶ。在宅医療という視点から、様々な事業を展開し、地域づくり、まちづくりにも取り組んでいる。
スピーカー

ふじおか さとこ
藤岡 聡子
ほっちのロッヂ共同代表
徳島生まれ三重育ち。夜間定時制高校出身。「老人ホームに老人しかいない違和感」を元に24歳で有料老人ホーム創業後、「長崎二丁目家庭科室」を経て「診療所と大きな台所があるところ ほっちのロッヂ」共同代表。共著に『社会的処方』『ケアとまちづくり、ときどきアート』。
スピーカー

あまたつ ゆうた
天辰 優太
平成医療福祉グループ副代表/
訪問事業部部長・経営企画医師
平成医療福祉グループ副代表、経営企画医師、訪問事業部部長。1987年大分県大分市出身。2012年岐阜大学卒業。岐阜市民病院で初期研修後、厚生労働省に入省。介護報酬制度、診療報酬制度の改定や国立ハンセン病診療所の医師確保、医師の働き方改革に携わる。2020年に同グループに入職。
聞き役

くになが なおき
國永 直樹
海陽町国民健康保険海南病院・医師
山と海に抱かれた温暖な町で、地域医療と地域づくりを担う総合診療医。新たに赴任し、海南病院を拠点にアクセスや医療資源の課題に向き合いながら、住民の暮らしに根ざした診療と地域づくりを進めている。
13:00 - 14:30
Session2
医学生にとっての「医師」像への道のり
自分たちが医学を志した原点はなんだっただろうか?医学を学べば学ぶほど深まる人体への理解と、人の幸せとは何かを深く知っていく機会とは遠ざかっていくような気がする。何か自分を表現したいと思えば思うほど、医師という世界がマイノリティだとも感じざるを得ない。それでも、私たちは医師になりたい。自分らしい医師の姿には何が必要だろうか?そんな語らいを座談会形式で展開。会場の方々もぜひご自身の学びの過程に馳せながらご参加ください。
スピーカー

えのもと ゆうせい
榎本 侑生
徳島大学医学部6年
徳島大学医学部医学科6年。地域枠学生として入学。救急医療や地域医療に関心を持ち、学生間や学外でのイベントを企画・運営し、学びを深めてきた。将来は地域に根ざし、人々の健康と安心を支える医師を目指す。
スピーカー

いわた ゆり
岩田 悠利
徳島大学医学部3年
徳島大学医学部医学科。「表現」「人のための組織・社会」などに興味があり、自分が何を感じるか、どんなことをしていたいか、様々な自分と出会い表現する場としてmoonlitという屋号でブックカフェの団体をしています。徳島各所にて出店中。
スピーカー

かみにし りんたろう
上西 凜太郎
島根大学医学部4年
島根大学医学科4年
#石垣島育ち#お節介#越境#ちいここ
石垣島の教育・医療格差の経験から離島・僻地を始め医療・教育の変革を目指す。医療研修の立案など様々な関わり方で全国の中高生・医療系学生の学びの場作りに挑戦。
スピーカー

しまづ りさ
島津 里彩
神戸大学医学部4年
神戸大学医学部医学科4年。旅とチーズケーキが大好き。土地と暮らしのつながりや、故郷への愛着に関心を持ち、医療系学生団体ちいここの運営や、外国人住民の暮らしについてのヒアリングを行っている。
モデレーター

ふじおか さとこ
藤岡 聡子
ほっちのロッヂ共同代表
徳島生まれ三重育ち。夜間定時制高校出身。「老人ホームに老人しかいない違和感」を元に24歳で有料老人ホーム創業後、「長崎二丁目家庭科室」を経て「診療所と大きな台所があるところ ほっちのロッヂ」共同代表。共著に『社会的処方』『ケアとまちづくり、ときどきアート』
14:45 - 16:45
Session3
Beyond ACP
ACP(アドバンス・ケア・プランニング)は、人生の最終段階における医療やケアについて本人・家族・医療者が話し合う仕組みとして広まってきました。しかし現場では、形式化や価値観の押しつけに陥るリスクも課題として指摘されています。本セッションでは、宗教・医療・福祉・社会起業の多様な立場の登壇者が集い、従来のACPを超える新たな概念を探るために議論を交わします。徳島から始まるこの対話が、医療や介護の枠を越えて暮らしと社会をつなぎ、誰もが自分らしさを全うできる社会の実現に向けた新たな一歩となることを目指します。
スピーカー

やえ すず
八戸 すず
みなみ野病院 緩和ケア科部長/
緩和医療指導医・専門医
中学生の頃から緩和ケアを志し、外科研修を経て緩和ケア専門医を取得。大学、市中病院、在宅診療所での勤務を経て、みなみ野病院緩和ケア科部長として臨床と教育に携わる。急性期から在宅までの幅広い経験を活かし、多面的な緩和連携を推進。病期や状況を問わず、あらゆる段階にある患者と家族の価値観に寄り添う姿勢を大切にしている。
スピーカー

たまおき みょうけん
玉置 妙憂
大慈学苑 代表/
みなみ野病院 看護師・僧侶
看護師・ケアマネジャーとして臨床経験を重ねたのち、夫の“自然死”を機に出家し真言宗僧侶となる。「大慈学苑」代表として幅広くスピリチュアルケアを展開するとともに、みなみ野病院で緩和ケアに携わる。著書、講演や診療を通じ、生き抜く力と穏やかな最期を迎えるための温かなヒントを届けている。
スピーカー

たけだ いさむ
武田 勇
オヤシル株式会社 代表取締役
リクルートジョブズ、エールでの勤務を経て、オヤシルを創業。
親子の「人生の物語」と「介護・終末期の意向」を第3者がじっくり聴いて記録・共有する『オヤシルインタビュー』を展開し、後悔のない親子関係を支える社会づくりを目指している。
スピーカー

ばば たろう
馬場 太郎
順天堂大学練馬病院
医療福祉相談室・社会福祉士
中学・高校時代に恩師の死を経験し「死・生きること」への関心を抱く。大学で社会福祉を専攻し、ヘルパーとして障害者の在宅看取りを経験。現在は大学病院でソーシャルワーカーとして勤務し、「生きづらさ」を抱える患者や家族に寄り添う。近年は「単身がん患者」への支援を研究し、誰もが望む「生」を全うできる社会を目指している。
モデレーター

やえ としふみ
八戸 敏史
多摩川病院 副院長/
平成医療福祉グループ・経営企画医師
総合診療・呼吸器を専門に、がん診療や慢性疾患で診断から看取りまで一貫して患者に寄り添う。「人を診る医療」を信条に、グループ事業の経営企画に携わりながら、地域や多職種とともに誰もが自分らしさを出すことができる社会のあり方を、医療の枠組みを超えて模索している。
開催場所
第二倉庫 アクア・チッタ(万代中央ふ頭 内イベントスペース)徳島市万代町5丁目71-4
バスでお越しの方
- ・徳島バス
徳島小松島間日赤前経由「昭和町七丁目」で下車 徒歩10分 - ・徳島市営バス
駅前4番のりば(万代車庫行き他)「万代五丁目」で下車 徒歩3分
車でお越しの方
万代中央ふ頭の川沿いの駐車スペースは開催日の頃に工事を行うため使用できません。
下記の徳島県庁職員駐車場をご利用ください。
